大事にしたい習慣

最近、晴れた日に外出すると、ホトトギスの鳴き声を聞くようになりました。以前、山の近くに住んでいた私はこの鳴き声を聞くと、子供時代に山の中を遊び回っていとことを、思い起こします。
その山に入るには、大人ひとり通れるぐらいの踏み跡がついた山道を、登って行くしかありませんでした。
その道の両脇には、それほど高くないクヌギの木が所々に生えていて、たまに、綺麗な花を咲かせるツツジの木も生えていました。そこは、鬱蒼とした山林、という雰囲気ではなく、ハイキングにちょうど良い小高い山といった感じの所で、子供が遊ぶには絶好の場所だったのです。
その山道を登っていく途中には、道から3メートル程下に落ち込んだ窪地があり、そこには、比較的大きなクヌギの木が数本は生えていました。そして、私と兄は、そこに木を寄せ集めて基地を作ったのです。
晴れた日に、その場所で休憩するのは最高でした。邪魔する人は誰もいません。たまに、嫌なことがあったときは、一人でその基地に入って気持ちを落ち着かせていたことを、今でも覚えています。
しかしながら、心が安らげる唯一の場所だったその山も、今は団地になってしまい、もうありません。
あれからだいぶ時が経って、私も、いい年をしたおじさんになってしまいました。
最近は、気分が優れないときや嫌なことがあると、よく電車に乗って自然の多い場所へ出掛けます。
子供時代に身につけたこの習慣は、大事にしていきたいと思っています。