ささやかなる葛藤

友人に連れて行ってもらった、美味しいパン屋さん。
時間帯は11時半ぐらいだったかな?平日に行ったのに、店の外に2,3人の列ができていた。
 さほど広い店内ではないのだけれども、平日に店の外まで並んでいる状況は、人気があることが伺えるし、味への期待値が上がってしまった。
お客さんたちも慣れたものなのか、1人、もしくは1グループが出てきたら、先頭の人が入るという状態だ。我先に!という人がいないのは、見ていて気分が良い。
 店前の路上駐車のお客さんには、店員さんが出てきて、コインパークへとお願いされていた。
 そうそう。そうなんだよね。うちの近所の、とーっても美味しいパン屋さんはこの路上駐車が多くて、移転されてしまった。なまじか歩道が広かっただけに点字ブロックに乗り上げての駐車もあったんだよなぁと、心の中で呟く。
 店内に入ると、これまた私好みのパンが揃っていて、全部トレーに乗せたくなる・・・が、いかんいかん。私のコレステロール値はやたらと高く、医者にも注意されていたんだと、ストップをかけるも私の中の可愛い悪魔が囁く。 
冷凍しとけばいいんじゃない?
なるほど、小出しで食べれば良いんだよね。うんうん。と傾きかけると、
ちょっと待って!そもそも、無ければ食べれないよね?そっちの方が安全だよね?と常識が囁く。
そう。そうだよね。数値的にもいいよね。うんうん。それもわかる。
 瞬間の攻防戦が終わり、私は思いっきりトレーに乗せていた。
そう、私は自分に甘かったのだ。
 購入したパンは隣の珈琲屋さんに持ち込んで食べれる。そして、こちらの珈琲をテイクアウトで、先ほどのパン屋さんの2階でパンと一緒に食べることもできる。
 私たちは珈琲屋さんで香りに包まれながら、まったりとした時間を過ごしたのだ。
ああ、至福の時間だった。
 帰ってきた私はさっそくパンを切って冷凍保存したのだった。